日銀、マイナス金利を解除 17年ぶり利上げ 大規模金融緩和の政策を修正

2024年3月19日 12時37分

18日午前、金融政策決定会合に出席するため日銀本店に入る植田和男総裁=代表撮影

 日銀は19日の政策決定会合で、大規模金融緩和の柱となるマイナス金利政策を解除すると決めた。
 短期金利を従来のマイナス0.1%から0~0.1%程度に引き上げた。利上げは2007年以来17年ぶりとなる。
 長期金利を低く抑える長短金利操作(YCC)と株式市場での上場投資信託(ETF)などの買い入れも終了する。
 約11年に及んだ大規模金融緩和を正常化する第一歩となり、金融政策は歴史的な転換点を迎える。長期国債の買い入れは維持し、緩和的な金融環境は継続するとしている。
 連合が発表した2024年春闘の第1回集計で、大企業を中心に高い賃上げ率が確認されたことから、日銀が目指す2%の物価目標を中長期的に達成できると判断したとみられる。
 ただ、雇用の7割を占め、賃上げ交渉がこれから本格化する中小企業が実際に賃上げを行うかの動きは見えておらず、どのような理由でマイナス金利解除に踏み切ったのか、日銀の説明が注目される。
 政策変更の詳細は午後3時半に植田和男総裁が記者会見して説明する。

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